ローラー式サクラダイノとハブ式ダイナパックの違いについて



世間では車のトルクやパワーに関して、計測する店や機械、又は季節や標高、気圧、湿度によって算出される

パワーやトルク値はまちまちで、一体何が正しいのか?何を信じればよいのか?多少疑問視する傾向もあるようです。


当社が使用するローラー式のサクラダイノは、ローラーが回った時に発生する発電量(kw)を馬力に換算し

それをエンジン回転で割ってトルクを算出しています。

アクセル全開の後、暫くの時間ニュートラル状態のまま放置するのはロス馬力を計測している時間です。

ロス馬力とはミッションやプロペラシャフト、デフ、ドライブシャフト、ホイールタイヤ等で損失している馬力で

ロスがない物を回せばいつまで経っても回転は下がりませんが、車の場合はロスが有るため徐々に下がってきます。

特に高回転時はロスが大きいため回転の下がりは速く、低回転時は遅いでしょう!

この計算力が世界のローラー式で一番レベルが高いと個人的に思うのが、サクラダイノなのです。


但し、気圧、湿度に関しては補正能力が低く、大パワー大トルクにはタイヤのグリップが負けてスリップすることも多い

欠点があります。




もう一つ当社が使用するハブ式のダイナパックは、車輪の回転を止めながら吸収トルクを計測し

それをエンジン回転で掛けてパワーを算出しています。

アクセル全開の後すぐにアイドリング状態になるのは、元々ホイールタイヤを外して計測するので

ロス馬力は計算できないからです。

そのためエンジン出力の何%かがロス出力として吸収されているだろうという考えのもと

掛け算で推測するのがTCF(ティシィファクター)です。

しかしこれは、ロス馬力が多いはずの高回転も、ロス馬力の少ない低回転も一定比率で算出されてしまうため

正確ではありません。

但し、気圧、湿度に関しては補正能力が高くタイヤのグリップは関係ないためスリップロスがなく

セッティングに適しており、振られない安全性も有する長所があります。


当社ではこれらの機器を、車種や仕様に応じて使い分けし、大いにセッティングに役立てております。

計測する人や店によって出てくるパワーやトルクに違いがあるのは否めませんが

当社では一定のマイルールを設け、出来るだけ正しい数値をお客様に報告するよう心掛けております。